Abstract | 「はじめに」血液浄化法は, (1)透析療法, (2)血漿交換療法, (3)吸着療法の三つに大きく分類される. 中でも, 腎不全に対する透析療法は, この半世紀に大きな発展をとげ, 慢性腎不全の治療法として確立されてきた. 透析療法における体外循環による物質の除去技術は, さらに拡大され, 血漿交換法や吸着法という治療法を発展させてきたといえる. 1940年代に血液透析が臨床応用されて以来, 透析療法は尿毒症物質との戦いであった. セロファンという半透膜としてはあまりよくない膜を用いて, 尿素やクレアチニンなどの小分子量物質のみにターゲットを絞って血液浄化を行ってきた. しかし, 考えてみると尿素やクレアチニンそのものは尿毒症物質ではなく, 尿毒症としての血中マーカーであったにすぎない. やがて中分子量物質や低分子タンパク質の尿毒症物質としての重要性が指摘され, それに見合った血液浄化法なるものが見直されたのである. これには, 透析療法の主な原理である拡散による除去分子量スペクトルの拡大, すなわちハイパフォーマンス(high performance)膜の開発, 濾過(filtration)による方法, 分離(apheresis)による方法, 吸着(adsorption)による方法などがある. |