Abstract | 心疾患を有する小児一般手術については著しい進歩が見られ, その成績も向上している. これは新生児, 小児期における心疾患に対する早期診断技術, 内科的管理法におうところが大きい. 新生児期では外科的緊急手術を心要とする疾患と, 先天性心疾患の重症度との評価の問題が生ずる. しかし, 重症外科疾患でも段階的な方法をとりながらも手術可能な症例は多くなった. 一方では, 心疾患と外科疾患のどちらを先に手術するかの議論が依然として生じていることも事実である. 今回のシンポジウムでは, 以上の点に関して, 小児循環器内科でご活躍の中沢誠先生, 小児一般外科でご活躍の蒲田振吉先生のお二人の専門分野の先生方を交えて, 実際に小児麻酔に取り組んでおられる津田恵子先生, 秦恒彦先生, 堀本洋先生, 何廣頤先生の四人の先生方と総活的に検討していただくよう企画した. 尚, 小児麻酔専門の先生方には, 分類した病態の心疾患を一つづつ担当していただき, これらを合併して一般外科手術を受ける患児について, 各施設での現状を紹介していただいた. そして, 一般臨床で役立つような症例を呈示していただき, 問題点を指摘, 検討していただいた. これらの症例については事前に各シンポジストに見ていただき, 検討内容の充実をはかった. |