Abstract | 「はじめに」診断技術や患者管理の著しい進歩により, 先天性疾患患者の寿命が延長してきているのに伴い, これらの患者の非心臓手術に遭遇する機会も増えていると思われる. しかし, 先天性心疾患患者は心肺機能の制限を有すこと, また, 同一疾患でもその病態は個体差が大きく一般的な患者管理法則を適応しにくいこと, 麻酔プランを立てる為の客観的データに乏しい場合が多いことなどの理由で, その周術期管理には問題が多い. 新生児を除く未手術疾患例について, 神奈川県立こども医療センターでの現状を報告し, 症例を提示して検討する. 「対象」1990年の1年間の当センターにおける手術患者で循環器手術患者を除く2343例 「結果」2343例中心疾患合併例は117例(5.0%)にみられ, この117例中, 姑息手術も含めて心臓未手術例は53例(45.3%)であった. さらにこのうち新生児の10例を除く43例を中心に検討した. 診療科分布は 一般外科 11例(25.6%) 耳鼻科 11例(25.6%) 歯科 5例(11.6%) 眼科 5例(11.6%) 泌尿器科 5例(11.6%) 形成外科 3例(7.0%) |