Japanese
Title冠循環調節と冠盗流現象
Subtitle総説
Authors市原和夫*, 高畑治**
Authors(kana)
Organization*北海道薬科大学薬理学教室, **旭川医科大学麻酔・蘇生科
Journal循環制御
Volume15
Number4
Page564-569
Year/Month1994/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」冠循環によって心筋細胞が養われ, 収縮のためのエネルギーを得て心臓は機能する. 冠動脈に通過障害が起こると, 心筋細胞におけるエネルギー産生が障害され, 心臓機能が低下して虚血性心疾患が誘発される. 現在, 虚血性心疾患の治療薬として主に, 表1に示すような薬物が臨床的に使用されている. ニトログリセリンに冠血管を拡張させる作用があることが見いだされて以来1, 虚血性心疾患の治療薬として, 数多くの冠血管拡張薬が開発, 供給されてきた. 表1に示す薬物群の内, β受容体遮断薬以外は大なり小なり冠血管拡張作用を期待させる薬物である. しかし, ニトログリセリンは確かに正常人の冠血流量を増加させるが, 冠不全のある狭心症患者の冠血流量を増加させないというたくさんの報告がある2). また, 最近では冠血管拡張薬が必ずしも有効な狭心症治療薬とはならないことが指摘されている. 例えば, ジピリダモールは強力な冠血管拡張作用を有するが, この薬物は狭心症患者に投与すると心筋虚血が誘発されるという3). 一方, 現在でもニトログリセリンは, 今起こっている狭心症発作を鎮めるほとんど唯一の薬物として使用されている.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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