Japanese
Title虚血心筋とリゾリン脂質
Subtitle講座
Authors橋爪裕子, A. N. Ehsanul Hoque, 安孫子保
Authors(kana)
Organization旭川医科大学薬理学講座
Journal循環制御
Volume15
Number4
Page606-612
Year/Month1994/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「1. リゾリン脂質の構造と特徴」リゾリン脂質は, 膜を構成するリン脂質から, ホスホリパーゼA1(PLA1), あるいはホスホリパーゼA2(PLA2)によって, 脂肪酸が一つはずれてできる(図1). ホスファチジルコリン(PC)は膜を構成するリン脂質の中で, 最も多く存在するものの一つである1). 従って多く存在するリゾリン脂質として, リゾホスファチジルコリン(LPC)が考えられる. 生理的状態であれば, 生成されたLPCは再び脂肪酸が結合されてPCにもどる(再アシル化)か, またはLysophospholipaseによってさらに脂肪酸がはずれて(脱アシル化), グリセロホスフォリルコリンに変わる(図2). 従って, 生理的状態ではLPCの代謝は速い. しかし心筋組織が虚血に陥ると, LPCの再アシル化に必要なATPが減少してしまうためにacyl CoAの生成が低下する2). また同時に, LPC acyltransferaseが抑制されてしまう2). さらに虚血の時にはLysophospholipaseも抑制されるので2), LPCの蓄積はさらに増強される. 事実, LPCは虚血心筋組織中に蓄積する3), 4), 5).
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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