Japanese
Title温故知新
Subtitle巻頭言
Authors増田善昭
Authors(kana)
Organization千葉大学医学部第3内科
Journal循環制御
Volume16
Number1
Page1-1
Year/Month1995/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract病気の回復が医師の手によるよりも自然の力による所が多いことはわれわれが銘記しなければならない事実であるが, これは生体内の正常な状態が乱された時, それを元に戻す作用が働くことを示している. 交感神経の研究で有名なキャノンは生体がその内部環境を一定に保つ作用をホメオステージスと名付け, これが生物の生存の統括的原理であり, われわれがこの調節と制御に関する原理を理解すれば, 疾患を治癒し得るだけでなく, 産業や国家等の社会組織の悩みや不安を解消することも可能であると述べている. 医学の研究にさいしてホメオステージスの機構を解明することは常に念頭に置かなければならないことである. さて, 循環系にはホメオステージスにかかわる数多くの調節, 制御機構が存在するが, その中でもっとも古くから研究されているものの一つに1924年ヘリングによって明かにされた血圧調節, 制御機構としての頸動脈洞反射がある. 振返ってみると私の学位論文も頸動脈洞神経および大動脈神経線維に関する研究であり, その後の循環生理の研究を含め現在に至るまで何らかの形で循環調節の研究にかかわってきたことになる.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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