Japanese
Title麻酔危機管理とシミュレータ
Subtitle巻頭言
Authors池田和之
Authors(kana)
Organization浜松医科大学麻酔・蘇生学教室
Journal循環制御
Volume16
Number2
Page139-139
Year/Month1995/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract危機管理という語は最近の時事用語となったが, 危機管理の対象こそ大きな違いがあるにせよ, 麻酔中の危機管理は麻酔安全対策に密接に関係している. 麻酔危機は呼吸, 循環, 代謝など各面にわたるが, なかんずく循環系危機に当たっての対応とは循環制御を行うことにほかならない. 小生自身, 先般骨折患者の麻酔の際, 術者がエスマルヒ駆血帯を患者に巻いた直後に, 過呼吸とともに極度の低血圧に見舞われた症例を経験した. 駆血帯操作によって骨折部付近で形成されていた血栓が流血中に押し出されたためであって, 動脈血―呼気終末二酸化炭素較差の所見から直ちに肺血栓症と診断することができこれに応じた対策を取った. このように突如として発生する患者の危機状態の対応に当たっては, 知識と常日頃の経験が物を言う. つまり各麻酔科医のもつ危機対応能力には知識と経験の差が歴然と反映されることになる. しかしこの経験はカビの生えた昔の経験ではなくて, 一定のサイクルで同じ経験が繰り返されることによって常に再形成されることが望ましい.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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