Japanese
Title過労における循環制御の破綻
Subtitle巻頭言
Authors村山正博
Authors(kana)
Organization聖マリアンナ医科大学第2内科
Journal循環制御
Volume17
Number2
Page149-149
Year/Month1996/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract臨床家にとって「疲労」, 「過労」は捉えどころのない鵺のようなものである. 疲労が重なったとか, 過労のため発症したなどのやり取りが臨床では日常茶飯事である. 最近では, 仕事のやり過ぎによる過労から突然死が起こるとうようなことが話題になり, karousiという用語は国際語になってしまった. 過労が健康に悪いことは何となく理解できても, 過労とは一体何で, それが身体にどのような影響を及ぼすのか, また過労が続けば本当に突然死するのかということになると極めて曖昧である. 過労とは言葉の上では過度の疲労ということになるが, 疲労とか過労は主観的なもので, それに伴って生ずる身体的または臓器的反応で評価するのが判り易いが, その指標がない. 運動生理学では昔から疲労は大きなテーマであった. 古くは酸塩基平衡式で有名なLJ Henderson(1878−1942)が創設したHarvard Fatigue Laboratoryの歴史を見ると(Cir Research 20:suppl, 1967), 後に近代運動生理学の発展に寄与した多くの学者がここで多くの業績を挙げており, また本邦でも運動生理学者が集まる疲労研究会という歴史のある集まりもある.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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