Japanese
Title司会者印象記
Subtitle特集 シンポジウム(II)「麻酔時の循環制御―私ならこうする―」
Authors高折益彦
Authors(kana)
Organization川崎医科大学
Journal循環制御
Volume17
Number4
Page493-494
Year/Month1996/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract麻酔は外科的侵襲から生体を守る手段である. しかし麻酔自身も生体に侵襲を及ぼす. とはいえ麻酔なしで外科手術を施行することは出来ないので, 麻酔自身の侵襲は必要悪として認容されている. そこでその必要悪を最小限にして上記の目的を達成することが麻酔科医に対して要求される. またそれに十分対応することが麻酔科医の任務でもある. 麻酔は生体の種々の機能に影響を及ぼすが, このセッションにおいては本学会の性格上, 循環系への影響のみに限定し, その影響, 作用に対して各シンポジストはいかに対処されるか, そのノーハウについてお話し頂いた. 脊髄麻酔に関して土肥修司先生は脊髄麻酔は脊髄交感神経系を麻痺させ, 血管拡張, それに伴う循環血液を末梢血管床にプーリングさせることが循環系に変化を与える第一次作用であるが, 相対的に生ずる迷走神経興奮が随伴していることも忘れてはならないと述べられた. そのためいわゆるvago-vagal reflexとして認められるものが発生しやすく, 脊髄麻酔中に咳をしたためにValsalva反射から心停止に至った症例もあることも示された. そのため脊髄麻酔の際には出来ればアトロピンの前投与を行うか, 同薬を間髪を入れず投与出来る体制を取って置くことが大切であると強調された.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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