Japanese
Title硬膜外麻酔における循環制御の問題
Subtitle特集 シンポジウム(II)「麻酔時の循環制御―私ならこうする―」
Authors西邑信男
Authors(kana)
Organization博慈会記念総合病院麻酔科
Journal循環制御
Volume17
Number4
Page499-503
Year/Month1996/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract硬膜外麻酔でも脊椎麻酔でも循環制御の観点よりはほぼ同様な病態が対象となる. すなわち血圧の下降, 心拍出量の減少および脈拍数や心電図の変化である. 基礎となる原因は麻酔による交感神経遮断(Pre-ganglionic sympathetetic fiber blocks)であるが, 硬膜外麻酔と脊椎麻酔では異なる因子が関与してくる. 1)交感神経遮断の速度と範囲;硬膜外腔とクモ膜下腔では薬液の分布がことなり, 脊椎麻酔では均等な分布が, 一方硬膜外麻酔では不均等な分布がおこる結果, 脊椎麻酔の場合には交感神経の遮断はより完全におこる可能性がある. しかし硬膜外麻酔では胸部, 頸部や上腹部の手術で使用されるために, 適応される症例により, 高位の広範な遮断がおこり, 特に心臓への交感神経の遮断が起こりやすい. したがって心臓への影響がより著明となり, 迷走神経の影響が表われ易い. また房室ブロックのおこる可能性もある. 村上1)はイヌにおける実験でエンフルラン麻酔下での胸部硬膜外麻酔による房室伝導抑制作用は, 第一義的効果である交感神経(心臓枝)遮断作用によるもので, 血中局所麻酔薬の直接作用でないと結論している.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

【全文PDF】