Japanese
TitleMaze手術の理論と実際
Subtitle講座
Authors磯部文隆
Authors(kana)
Organization国立大阪病院心臓血管外科
Journal循環制御
Volume17
Number4
Page583-588
Year/Month1996/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract近年, 心房細動は放置できない不整脈であるという認識が定着しつつある. 脈の不整感, 心機能の低下, さらに血栓塞栓症の危険性という心房細動の三大悪弊が認識され, 従来は全く無視されていた不整脈であったが, 何らかの治療を行わなければならないと考えられるようになった. 米国のCox教授は, 外科的治療法としてMaze手術を考案し, 孤立性心房細動を主対象として手術を行ってきた. その成績が認められるようになり, 本邦ではいち早く導入され, 早くも保険償還される術式として認知されるまでとなっている. 今回, Maze手術の基本的概念と術式およびその成績について述べる. 「基本的概念―心房粗細動の機序」心房細動の治療には, その機序が明らかにならなければ対処はできない. 従来, その機序として, 自動能亢進性とリエントリー性の論議があった. 当初は, 異所性自動能亢進性起源により心房筋全体の細動をきたす1)と考えられたが, 心房細動を呈している心房を細分化すると心房細動は停止したという実験結果2)から, 細動を続けるには必要最小限な心筋塊の大きさが必要であり, その機序として自動能亢進性ではなくりエントリー性と推論された.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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