Abstract | 本年1月より, ハーバード大学マサチューセッツ総合病院麻酔科にてレジデントプログラムに参加する機会を得た. まだ短い期間ではあるが, これまでの体験を元に報告をしてゆきたいと思う. 「マサチューセッツ総合病院」マサチューセッツ総合病院(MGH)は, 1811年に創立され, 現在はハーバード大学医学部の主要病院として臨床・研究共に全米トップクラスの病院である. 1995年度の統計によると, 年間の入院患者数は3万5千, 外来患者数113万5千であり, 手術件数は2万8千件を超える. 約3000名の医師を抱える, この病院の年間運営予算は7億8千万ドルであり, 研究予算は実に1億8千5百万ドルに達する. 創立以来, この病院が医学界に与えてきた影響は計り知れないが, 麻酔学に限って言及すると, 1846年に, ウィリアム・モートンが世界に先駆けエーテル麻酔を試行したことはあまりにも有名であろう. ちなみに, 本年は, エーテル麻酔発祥150周年にあたり, この病院にあるエーテルドーム(現在も米国の記念施設として保存されている)において, エーテル麻酔のデモンストレーションが行われることになっている. |