Abstract | 「はじめに」近年, interventional radiologyの進歩により, 血管造影剤は画像診断のみでなく, 治療分野でもさかんに使用されるようになった. このため, 造影剤の使用量は著しく増加し, その重要性はますます高くなっている. しかし, 造影剤の問題点として, ヨードアレルギー, 高浸透圧, 高粘度, 赤血球の変形能や凝集に対する影響などがある. 最近では造影剤の低浸透圧・低粘度化がはかられ, 副作用の出現頻度は低くなっているが1), より副作用が少なく, 造影性に優れ, 低浸透圧・低粘度, 高親水性の非イオン性造影剤の開発が望まれている. ここでは, より低浸透圧かつ低粘度を目標にSovak2)によって開発された非イオン性尿路・血管造影剤Ioxilan(イマジニール(R))について, われわれが測定した粘度の成績を中心に概説する. 「物理化学的性質」Ioxilanの化学名は(±)-N-(2, 3-dihydroxypropyl)-5-[N-(2, 3-dihydroxypropyl)acetamido]-N'-(2-hydroxyethyl)-2, 4, 6-triiodoisophthalamideで, 分子式はC18H24I3N3O8, 分子量は791.12である(表1). |