Japanese
Title急性肺血栓塞栓症の肺循環と診断・治療
Subtitle総説
Authors丹羽明博
Authors(kana)
Organization武蔵野赤十字病院循環器科
Journal循環制御
Volume19
Number1
Page71-75
Year/Month1998/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」肺血栓塞栓症には急性と慢性の病態が知られているが, 両者の病態生理や治療方針は大きく異なる. 本稿では急性肺血栓塞栓症(以下PTE)について解説を加える. 本邦の剖検例でのPTEの頻度は10.7%1)といわれるが, 臨床統計は未だ見られない. 米国における臨床例の発生率は1.0%であるのに対して, 剖検では14.6%と高く, また, この30年間剖検例における発生頻度は不変であり, 臨床診断されていないPTEも減少していない2)ことが指摘されている. 「PTEの肺循環」肺循環系の特徴は(1)体循環と同じ心拍出量を約1/6の血圧で維持している3)(拡張性に富み右室壁は薄い), (2)低圧系であるため重力の影響を受け肺血流分布の不均衡が生じやすい3), (3)肺動脈の50〜60%以上の閉塞が起こるまで肺動脈圧は正常に維持され4)(予備能がある), (4)急速に進行する肺高血圧に対しては右心系は対応できない, という点である.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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