Abstract | クラスIcの抗不整脈薬が心筋梗塞罹患患者の長期生命予後を悪化させたとするCAST study(The Cardiac Arrhythmia Suppression Trial)以来, 循環作動薬の内服投与薬の生命予後に関する再検討は, 試みられ一定の評価は出そろって来つつある段階と思われる. このシンポジウムにおいては, 3人の麻酔科医に循環作動薬のうち静注薬を主な検討対象として, 有用性の再評価をしていただいた. シンポジストにさらに3人の循環器内科医に加わっていただき, 内服薬についての最近の話題も提供していただき, より討論の内容を高めていただいた. 最近の臨床は, 単なる印象や個々の治療例に基づく医療から, Evidence−basedな医療へと移行した. さらにその検証も一時的な改善ではなく, 長期生命予後とQOLの有為な改善が, 大規模ランダム化比較試験にてなされることが要求されるようになった. 折りしも本年5月には, 厚生省より再評価の審議結果について, 製薬会社に5種類の脳代謝改善薬の有用性が認められないとの内示があり, 各製薬会社はそれらに該当する薬の販売中止を決定した. |