| Abstract | 冠動脈疾患は急性冠動脈疾患と慢性冠動脈疾患に分類され, 急性冠動脈疾患には不安定狭心症, 急性心筋梗塞が, 慢性冠動脈疾患には安定狭心症, 陳旧性心筋梗塞が含まれる. ここでは主に慢性冠動脈疾患に対する薬物療法について述べる. 「冠動脈疾患の治療対象と治療目標」冠動脈疾患の治療対象には心筋虚血, また, その原因となる器質的冠動脈狭窄, 冠動脈攣縮, 冠動脈血栓がある. さらに, 心筋虚血, 心筋壊死の結果発生する不整脈, 心不全も治療の対象となり, 長期的には高脂血症, 糖尿病などの冠危険因子のコントロールも重要である. このような治療対象をコントロールすることにより, 患者のquality of lifeを改善し, 心筋梗塞, 突然死などの心事故を予防することが冠動脈疾患の治療目標と言える. 「狭心症に対する薬物療法」図1は, 安定狭心症患者にどのような薬物が使用されているかを, 当科で調査したデータである. 各薬物の使用頻度は, 硝酸薬81%, Ca拮抗薬は全体で89%(内訳はDiltiazem45%, Nifedipine25%, その他のCa拮抗薬が19%), Nicorandil35%, β遮断薬26%, ACE阻害薬22%, 抗血小板薬92%であった. |
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