Japanese
TitleEDHF-もう1つの内皮由来弛緩因子-
Subtitle巻頭言
Authors菅野盛夫*
Authors(kana)
Organization*北海道大学大学院医学研究科情報薬理学講座細胞薬理学分野
Journal循環制御
Volume20
Number1
Page1-1
Year/Month1999/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract1998年のノーベル賞医学・生理学賞は, 血管内皮細胞が血管平滑筋弛緩因子(EDRF)を産生・放出していることを見出したFurchgott教授, EDRFが一酸化窒素(NO)であることを同定したIgnaro教授, そして, nitroglycerinがNOを発生して血管弛緩を惹起することを明らかにしたMurad教授の3人に与えられた. 受賞者の業績は, 内皮細胞が血管内腔を被覆している単なる物理的なバリアではなく, 血液の凝固・線溶系や血管平滑筋緊張の調節, 血管平滑筋の増殖・分化制御をおこなっている極めて生物学的に活性が高い細胞であって, 血管機能調節の中枢的役割を担っているとする現在の血管細胞生物学のフレームを構築する端緒となったことと理解される. 内皮依存性血管弛緩反応の障害は内皮機能異常の表現であり, 高血圧症, 動脈硬化症, 高脂血症などの病態で認められ, これがこれら病態の末梢循環障害の原因となっていると考えられている. 筆者らも糖尿病病態モデルラットで内皮依存性血管弛緩が抑制されていることを見出し, 糖尿病における末梢微小循環障害への関与を提唱している.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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