Japanese
Title血圧低下はどこまで容認できるか-脳機能の観点から-
Subtitle特集 第19回日本循環制御医学会総会 パネルディスカッション「術中の循環管理」
Authors中木村和彦*
Authors(kana)
Organization*山口大学医学部麻酔・蘇生学教室
Journal循環制御
Volume20
Number1
Page45-50
Year/Month1999/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」脳は, 全身諸臓器の中でも最も虚血に弱い臓器であり, 健常人が血圧低下をきたした場合には, 心臓など他臓器の機能障害以前に脳虚血症状が現れる1). また, 心停止などの完全脳虚血によって10秒以内に意識が消失し, 血流途絶が5〜10分間以上持続すると不可逆性の障害が起きる. 本稿では, 術中容認できる血圧低下について, 脳機能の面から検討する. 脳障害発生を考えるうえでは, 血圧よりも酸素供給量や血流量が問題である. 酸素供給量=動脈血中酸素含量×脳血流量 で表される. 軽度の貧血であれば, 動脈血中酸素含量が低下しても, 通常は粘度の低下により心拍出量と脳血流量が増加し, 脳酸素供給量への影響は少ない. 多血症では粘度の上昇から脳血栓を生じやすくなる. 本稿では, 極端な貧血や多血症のない場合について論じる. また, 低酸素血症の場合も除き, 動脈血酸素飽和度および酸素含量はほぼ正常として, 許容できる脳血流量と血圧について, 覚醒時と麻酔時に分けて考察する.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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