Abstract | 1996年1月から, 英国OxfordのJohn Radcliffe Hospital(図1)心臓外科で勉強中である. 留学前の数年間, 是非とも, 話で聴く欧米人外科医の屈託の無い, 無駄の少ない, 速い, かつ日本で我々がやっていたような患者の取りこぼしの少ない医療, ‘有り体'にいえば‘経済的な'医療技術, 哲学を目のあたりにしたいと思っていた. しかも, 可能ならば英語圏内で, 自分が興味を抱いていた左室流出路から大動脈にいたる外科, Stentless valveを扱う名手の元へ修行に出たいと考えていた. 当地の現上司, Stephen Westabyから‘とにかく来い'の返事有り, 即決で渡英した. 私が現在働いている施設はOxford Heart Centreと総称されているが, 実体は18世紀にさかのぼり, 当時Oxford大学内に巨大な医理工系学群を設立したDr.John Radcliffe(1650〜1714)の診療所, Radcliffe Infirmaryを祖とするOxford Radcliffe Hospitals(John Radcliffe, Radcliffe Infirmary, Nuffield Orthopaedic Centre, Churchill Hospitalの4院からなる病院複合体)の循環器診療部門である. |