Japanese
Title人工心肺回路の生体適合性向上を目指して-各種ヘパリンコーティングと新しいアプローチ-
Subtitle総説
Authors西田博*, 遠藤真弘*, 小柳仁*
Authors(kana)
Organization*東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所循環器外科
Journal循環制御
Volume20
Number4
Page394-403
Year/Month1999/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」抗血栓性を含めた生体適合性の向上は, 人工心肺回路, あるいは補助循環回路などの体外循環回路・装置の低侵襲化を図る際の最重要課題である. ヘパリンコーティングは体外循環における血液の異物接触面の表面処理法としては今日最も幅広く普及している手法であり, チューブや人工肺などの各パーツそれぞれのコーティングにとどまらず, 脱血カニューレから送血カニューレまでの間の全体をコーティングする全回路ヘパリンコーティングが当然の時代となりつつある. しかし, 閉鎖回路であって血液がヘパリンコーティングされていない面と接触しない補助循環では, 減ヘパリンが可能となることから止血に重要な意味を持ち極めて有用性が高いのに対し, 空気に開放されたオープンリザーバーを有し血液が異物に接触する現行の人工心肺システムでは, 後述するようにヘパリンコーティングの臨床的有用性は必ずしも明らかとはならない. また, 吸引やベントによる血液の損傷や空気とのミキシングもヘパリンコーティングの有用性を打ち消し, マスクしてしまう因子である.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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