Japanese
Title吸入麻酔薬の血管への作用─特に, ハロゲン化炭化水素型揮発性吸入麻酔薬が血管平滑筋あるいは血管内皮に及ぼす直接作用に注目して─
Subtitle講座
Authors赤田隆, 泉薫
Authors(kana)
Organization九州大学医学部麻酔科蘇生科
Journal循環制御
Volume21
Number1
Page61-83
Year/Month2000/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「緒言」 過去数十年間, 「吸入麻酔薬の血管への作用」に関連して実に数多くの臨床研究や動物実験が行われ, 膨大なデータが蓄積されてきている. 本総説では, ハロゲン化炭化水素型揮発性吸入麻酔薬(以下, 揮発性麻酔薬)が血管平滑筋あるいは血管内皮に及ぼす直接作用に焦点を当てる. 1950年代後半のハロタンの臨床導入以来, 過去約40年間, 全身麻酔薬として最も頻繁に用いられてきた揮発性麻酔薬は, 臨床関連濃度で, 様々な心血管系機能の調節機構に変調を来し, 心機能, 血管トーヌスあるいは心血管系反射に有意な影響を及ぼす1). 従って, 揮発性麻酔薬を用いた全身麻酔中には患者の循環動態は多少なりとも不安定なものとなり, 特に高齢者や心血管系疾患を有する患者において麻酔科医は循環管理に難渋する. 最も顕著な作用は全身性の低血圧作用(図1)2〜6)で, 不用意に麻酔深度を深くすると, 重要臓器の血流低下(図2)を招きかねない.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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