Japanese | |
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Title | 循環制御の分子生物学:臓器, 細胞, 遺伝子レベルから |
Subtitle | 巻頭言 |
Authors | 倉林正彦 |
Authors(kana) | |
Organization | 群馬大学医学部第二内科 |
Journal | 循環制御 |
Volume | 22 |
Number | 1 |
Page | 1-1 |
Year/Month | 2001/ |
Article | 報告 |
Publisher | 日本循環制御医学会 |
Abstract | 循環系は, 免疫系とならんで外的環境に対して最も鋭敏に応答するシステムである. 循環制御の調節異常と捉えられる心血管系の病態生理は, 適応現象と考えられる初期段階と, それに続く, 破綻の段階の2段階に区別すると, 理解しやすい. 例えば狭窄性の弁膜症や高血圧症により, 心臓に圧負荷が加わると, 心臓は, 壁の応力を軽減させる方向に適応するため, 心肥大がおこる. また, 逆流性の弁膜症により容量負荷が加わると, 心臓は内腔を拡大させる. こうした変化は, 初期の段階では, 心拍出量を保ち, 循環のホメオスターシスを維持する適応現象と考えられる. しかし, この負荷状態が, 過度になったり, あるいは長期間持続することによって, 心臓の機能不全がおこり, ひいては循環不全がおこる. こうした, 心臓の臓器レベルにみられる適応と破綻の現象は, 個々細胞レベル, さらに遺伝子レベルでの調節変化の総和として出現するものであり, 近年の分子生物学の進歩によって, 循環制御は分子・遺伝子のレベルで解明されつつある. |
Practice | 基礎医学・関連科学 |
Keywords |