Japanese
Title現代の免疫システム
Subtitle総説
Authors宮澤正顯
Authors(kana)
Organization近畿大学医学部免疫学教室
Journal循環制御
Volume24
Number4
Page347-354
Year/Month2003/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「免疫反応はなぜ必要か」人体を構成するおよそ60兆個の細胞は, その全てがただ1つの受精卵に由来する. 発生に伴う細胞分化の過程で, 原則として体細胞ゲノムには変化が起こらず, おそらく全ての体細胞核に個体の発生に必要な全遺伝情報が保存されていることは, 旧くはGurdonによるツメガエルオタマジャクシ小腸細胞核移植による紫外線照射卵からの成体発生実験により, 最近では各種哺乳類体細胞クローン個体の作製により, 実証が行われている. 理論的には, 多細胞個体を構成する全ての体細胞が同一ゲノムを保有すべき必然性は必ずしも無い. このことは, 果樹や園芸植物で「接ぎ木」が可能であることを想起すれば直ちに理解される. 例えば, バラの苗はノイバラに接ぎ木して殖やしたものがほとんどであるし, ビニールハウスにおける野菜栽培では, 連作障害を避けるため, カボチャの台木にキュウリを接ぎ木することなどが普通に行われている. それならば, ヒトの身体でも「臓器移植」(正しくは「器官」の移植)を行うことが出来て良さそうだが, 実際には特別の場合を除き拒絶反応が起こって動物の器官は移植できない. これは何故かと考えることが, 現代の免疫学を理解する出発点になる.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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