Japanese
Title生体システムの統合美と不確定性
Subtitle巻頭言
Authors菅弘之
Authors(kana)
Organization国立循環器病センター研究所
Journal循環制御
Volume25
Number1
Page1-1
Year/Month2004/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract生体設計の究極的要素情報であるゲノム配列完読後(ポストゲノム)の現在, ゲノム機能に関心が移り, その産物である蛋白の構造と機能の解明が大いに期待されている. また諸要素の複雑な統合システムである生体やその一部である臓器の機能学である生理学も単分子生理学にまで要素還元されてきている. この結果, 要素還元研究に押され気味であったあるがままの生体や臓器の生理学研究が, 要素分析研究成果を有効に利用しながら再興する気運となっている. その研究成果としての統合機能全体はゲノムに対峙してフィジオーム(physiome)と呼ばれ, その解明が期待されている. 複雑な統合システムである生体は, 地球環境下での進化過程において突然変異を繰り返す遺伝子を元に出来上がったものが自然淘汰を受けながら生き残ってきたものである. ではそのような生体機能が複雑かというと, 必ずしもそうではないように見える. 身体動作を見ても単純な動作であり, ロボットでも出来そうにも思える. 心臓を人工心臓に変えても循環は保たれるし, 人工ペースメーカー, 人工血管, 人工肝臓, 人工腎臓等々の人工臓器や代替補助治療機器はすでに様々商品化されてきている.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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