Japanese
Title慢性心不全に対するβブロッカー治療
Subtitle特集-第24回総会シンポジウム2『慢性心不全の最新治療』
Authors安村良男
Authors(kana)
Organization国立病院大阪医療センター循環器科
Journal循環制御
Volume25
Number1
Page6-9
Year/Month2004/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」慢性心不全患者に対するβ遮断薬治療はcarvedilolを用いたUS carvedilol試験1)やCOPER-NICUS試験2), 長時間作用型のmetoprololを用いたMERIT-HF試験3), bisoprololを用いたCIBIS-II試験4)によって, β遮断薬が重症度によらず有症状の慢性心不全患者の予後を改善することが次々と示された. しかし, 個々の症例に対してどのように使えばβ遮断薬の効果を最大限に引き出せるのかはわかっていない. ここではβ遮断薬でも同じ効果が得られるのか(β遮断薬のクラスエフェクトか)について検討してみたい. 「慢性心不全の病態」心不全は原因のいかんを問わず心筋不全や心機能不全に端を発する. 心筋細胞への過負荷や重要組織への循環不全に対して, 生体は恒常性を維持するために代償転換を作動させる. すなわち, 交感神経やレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系などの活性亢進である. しかし, 代償機転が長期作動すると心室は質的かつ形態的に異なる心室へと変化していく. この変化を心室のリモデリングと呼ぶ. 近年, リモデリングの過程が分子生物学的に理解されるようになってきた5, 6). 例えば, 神経体液性因子の亢進は心筋での遺伝子発現の変化を来たし, 心機能の低下につながることがわかってきた.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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