Abstract | 我が国で臓器移植法が制定されてから6年目にあたる昨年10月26日から28日にかけて, 大阪国際会議場において北村惣一郎会長のもと第39回日本移植学会総会が開催されました. 日本移植学会が扱う領域は, 移植の基礎研究から各臓器移植の臨床, さらには異種移植, 組織移植, 移植システムと多岐にわたります, このため, 参加者は多方面におよび, 基礎研究に従事する研究者から移植の臨床現場で活躍する医師, コーディネーター, 看護師, さらには移植患者が参加し, 総出席者は1200名に及びました. 1999年に脳死下での臓器提供による臓器移植が施行されてから, 徐々に脳死臓器移植の施行数が増加していましたが, 2003年は脳死下での臓器提供が少なく, 心臓移植も2002年12月末から行われていませんでした. このような状況のなか今回の移植学会総会は「移植:社会に貢献する医学・医療」をメインテーマとしてプログラムが構成されました. 学会初日の10月26日には「移植:今, あなたと私にできること」と題した市民公開講座が開催されました. まず「子供達の移植への道」と題して, 国立循環器病センターで左心補助人工心臓(LVAS)装着後に米国にて渡航移植を受けた小児心臓移植者およびその母が体験談を述べ, さらに「小児のドネーションについての取り組み」と題した日本小児科学会報告が行われ, 日本小児科学会も積極的に我が国における小児脳死臓器移植実施に向けて活動する姿勢が示されました. |