Japanese
Title(質問)最近話題となっているカプサイシン受容体と血行動態の関係についてご教示下さい(神奈川県:S. H. )
Subtitle質疑応答
Authors金丸新, 局博一
Authors(kana)
Organization東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻比較病態生理学教室
Journal循環制御
Volume25
Number1
Page90-92
Year/Month2004/
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」カプサイシン受容体は侵害刺激の受容に関与し, 1997年に受容体遺伝子が単離されVR1(Vanilloid receptor subtype 1)と名付けられた1). VR1は感覚神経の中でもカプサイシン感受性神経として分類される無髄のC線維に強く発現していることが知られ, カプサイシン・熱(43℃以上)・酸(pH6.0以下)という複数の侵害刺激を受容することも明らかにされている2). また, VR1欠損マウスを用いた解析においても, VR1がこうした侵害刺激の受容に関わっていることが明らかにされている3). カプサイシン感受性神経が痛覚の受容以外にも生体における様々な反応に関与していることを示唆する報告は多数なされているが, 本稿においては特にVR1と血行動態の関係について解説する. 「カプサイシン受容体を介した循環反射」生体において皮膚や内臓に分布する感覚神経のVR1を刺激した場合, すなわち外部からの「痛み刺激」を与えることにより, 反射性に交感神経活動が亢進し, 血圧の上昇や心拍数の増加などが誘発される. このような交感神経活動の亢進により局所における血流は減少し, 傷害時には出血量の減少という利点がある一方で, 組織においては虚血によるアシドーシスが惹起される.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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