Abstract | 「はじめに」最近いろいろな疾患とジェンダーという言葉で男女差を分析した論文が報告されている. 厳密に言うとジェンダーとは生物学的な性差ではなく社会的・文化的な性差のことである. 男女はかくあるべしという倫理規範・行動規範のたぐいであり, 「男は強くたくましく」「女は優しく」などはジェンダーの典型例である. しかしここでは大きな意味のジェンダーとして捉え脳卒中を分析した. 男女がお互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い, 性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮することができる社会を実現するために男女参画基本法が1999年に成立し施行された. これは言い換えればこれまでの男社会から男女共同社会への変革を行うことにある. ところで社会での活躍はそのままストレスと直結しており, 生活習慣病とも密接に関連している. これから急速に到来するであろう男女参画社会を切り口にストレスや生活習慣病と深い関係にあるといわれている脳卒中を分析することは非常に重要と思われる. ここでは脳卒中(脳梗塞, 脳出血, くも膜下出血)発症の男女差を中心に統計学的な数値を分析し, 将来定着するであろう男女参画社会における脳卒中発症の男女差を推測する. |