Abstract | Cardiovascular System Dynamics Society(CSDS)は, 1975年の第1回大会から16回の大会を数え, ほぼ2年毎に開催されている国際学会である. この学会は, サルコメアから全身の循環調節に至る様々な階層にわたる生物物理学, 生体医工学, 循環生理学, 臨床医学の研究に携わる研究者が一同に介し, 研究成果を発表し, そして議論する場である. 類似のテーマを扱う大きな学会やさらに幅広くテーマを広げて規模を拡大する学会が少なからずある中で, CSDSの特徴は逆にその規模の小ささである. 実際, 多くの並行セッションが同時に開催される大きな学会に対する不満からこの学会が発足したことが知られている. 規模が小さいことを欠点ではなくむしろ利点ととらえ, 本学会は決して規模を拡大しすぎることなく, しかし着実にその内容の充実を図ってきた. そのような意味でCSDSは日本循環制御医学会と類似の点も多い. 第1回のクローズドの会を除いては, オープンな会ではあるが決して会員や参加者を増やし過ぎることはなかった. 学会はすべてプレナリーセッションから構成されているが, プレナリーセッションで十分な議論が可能な規模である. 基本的に会員は少数精鋭の専門家集団から構成されており, その結果として毎回白熱した議論が闘わされている. さて当初は米欧の研究者を中心に設立され, 米欧で交互に開催されていた本学会であるが, 1987年の第8回大会からは日本でも開催され, これまでに大阪(第8回), 神戸(第10回, 1992年), 仙台(第15回, 2002年)の3回が開催されている. 2003年現在で会員数は152名, うち50%が米国, 30%が欧州, 15%が日本, 5%がその他の国の会員であり, 日本の会員も着実に定着している. |