Japanese
Title虚血性心疾患における突然死と運動療法
Subtitle特集 第14回循環器セラピューティック・フォーラム『冠動脈硬化の内科治療』
Authors野原隆司
Authors(kana)
Organization(財)医学研究所北野病院循環器内科
Journal循環制御
Volume26
Number2
Page111-113
Year/Month2005/6
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「突然死とは」突然死の定義は厳密には瞬間死であり, 予期せぬ内因性の死亡である. 多くの定義が存在するが臨床的にはこの定義が妥当である. 発症の多くが悪性心室性不整脈であり, 心室細動, 心室性頻拍がこれにあたる. 心室細動は, 分単位に心停止に移行し, 効果的なバイスタンダーの心肺蘇生の効果が急激に悪くなる. また多くの突然死の原因は虚血であり, 心不全といえども多くの原因は虚血の発生である. 虚血性心疾患の場合, 図1に示したように, 虚血の存在心機能の低下そして交感神経活性の充進が認められる. 我々はこれに副交感神経活性の低下の重要性を報告している. それぞれについて, 運動との関わり, あるいは予防的に運動療法が効果的に働くかどうかを検討する. 虚血と突然死 1)虚血の発生が悪性の不整脈を発症することは実験的にも, 理論的にも証明され, 多くの臨床的事実がそれを裏付けている. 冠攣縮性の狭心症はイタリアとの共同研究で実際日本人に多いことが証明され, さらに九州大学がまとめた国内多施設研究で, 冠攣縮による突然死が多枝疾患に多いことも報告済みである. 実際の症例は図1に示すごとくである. 急性虚血と突然死の関係については, 時間とともに経過するアシドーシス, カリウムの増加, 不応期のばらつきなどが関係する. また梗塞後では, 古い梗塞層の周りに再帰回路ができること, さらには梗塞と虚血の合併例ではこれらが重合し, 再起回路, 自動能の亢進, さらには撃発活動の発生に繋がり悪性不整脈を発症する.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

【全文PDF】