Abstract | 第78回日本薬理学会年会は3月22日から3日間, パシフィコ横浜で開催された. 3日間とも9会場に分かれて特別講演, シンポジウム, 一般講演およびポスターセッションが同時進行で行われ, 活発な発表および討論がなされた. 今回は山形大学医学部薬理学の遠藤政夫教授が主催された. 非常に斬新的なプログラムが組まれた. その中でも特に印象深かったのは, 29のシンポジウムの中の約1/3は, 発表および討論すべてが英語で行われたことである. 日本循環器学会等では学会の国際化を目指して, 既に数年以上前から, 発表演題の過半数は英語で行われており, かなり定着しつつある. 同様に日本薬理学会でも英語のセッションを初めて企画されたことに, 薬理学会のレベルアップにご尽力されている遠藤教授の熱意が感じられる学会であった. 本学会の主なプログラムとしてはプレナリーレクチャーが4題, 招待講演が8題, 教育講演が3題, そして基調講演が2題企画され, 各分野の先駆的な研究者による講演が行われた. また, 29のシンポジウムが行われたが, テーマとしては, 基礎から臨床へのトランスレーショナルリサーチにおける薬理学の役割, QT延長に関するシンポジウム, 薬物トランスポーター, 致死性不整脈の発症機構, 組織エンジニアリング, 平滑筋の興奮収縮機能, ゲノム創薬科学, アルツハイマー病, T型チャネルの病態生理学的意義, ヒト組織の研究応用, 日本の創薬の現状と将来, アレルギー研究の新展開, イオンチャンネルの創薬, 血管新生, エイコサノイド研究, 東洋医学と西洋医学の接点, 心不全, ファーマコゲノミクス, ストレスと不安, ヒスタミン研究, 中枢シグナル伝達制御と脳疾患, 受容体薬理学, 脳高次機能と脳機能障害, 腎障害の分子機構, カルシウムチャネル等であった. |