Japanese
Title(質問)いわゆるプラセボの問題点についてご教示下さい(和歌山県:K.Y)
Subtitle質疑応答
Authors中野重行
Authors(kana)
Organization大分大学医学部附属病院
Journal循環制御
Volume26
Number3
Page267-268
Year/Month2005/9
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract臨床薬効評価を目的とする臨床試験の場においては, 医薬品の有効性と安全性を確認する過程で, しばしば対照群としてプラセボ投与群の設定が必要になる. しかし, 科学的にはその必要性が広く認められているにもかかわらず, 倫理的には種々の問題点があることが指摘されている. 2003年9, 月にわが国の治験を含む臨床試験の実施に直接参画している臨床研究コーディネ‐ター(CRC)を対象に行った私どものアンケート調査によると, 約65%のCRCがプラセボ群を含む臨床試験では患者からの同意取得が困難であると回答しており, その理由として患者の立場に立った試験計画になっていない, との意見が多く寄せられている. そこで本稿では, 臨床試験におけるプラセボの使用を巡る「いわゆるプラセボの問題点」について考えてみたい. プラセボの使用に関する種々の意見医薬品の臨床評価を目的とした臨床試験で対照群にプラセボを使用する際には, 各方面からいろいろな意見が出されている. そのような意見の代表的なものは, 「すでに有効性の認められている医薬品があるのに, それを使わずに対照群にプラセボを使用することは倫理的でない. 」, 「プラセボ投与は無治療で放置することであり, 倫理的に許されない. 」, 「すでに標準薬がある領域では, その標準薬との優劣が問題であり, プラセボ投与時との比較をする必要はない. 」
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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