Japanese
Titleキマーゼと循環動態
Subtitle講座
Authors高井真司
Authors(kana)
Organization大阪医科大学薬理学教室
Journal循環制御
Volume26
Number4
Page328-334
Year/Month2005/12
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstractヒトの血管組織において, アンジオテンシン変換酵素(ACE)とは異なるアンジオテンシンII産生酵素の存在が確認され, その後, その酵素はキマーゼと同定された1, 2). キマーゼという酵素は, 肥満細胞の顆粒中に存在するセリンプロテアーゼの一つであり, アンジオテンシンIをアンジオテンシンIIへ変換する. そのため, 発見当初, キマーゼを阻害する薬は, 新たな降圧薬になると考えられた. しかし, 実際には, キマーゼ阻害薬は, 血圧を下げなかった. また, キマーゼには, アンジオテンシンIIを産生する以外に血管リモデリングに関与するマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-2やMMP‐9を活性化することが明らかとなってきた3). ACE同様にキマーゼは, アンジオテンシンII産生能があるにも拘らず, 何故, 血圧の調節機構に関与しないのだろう. また, 血管組織に存在するキマーゼは, 血管でどのような機能を果たしているのであろうか. その疑問を紐解きたいと思う. 生体内におけるキマーゼの動態 キマーゼは, 肥満細胞の顆粒中に蓄積されている酵素だが, この顆粒中に存在している限り, キマーゼは, 酵素機能を発揮することは不可能である.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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