Abstract | 【目的】研究の目的は, 新しい64列走査線を用いたマルチスライスCT(MSCT)による冠動脈造影の診断精度を評価する事である. 【背景】新しい64列MSCTは, 空間分解能が0.4mmまで向上し, 以前のMSCTと比較して回転時間(330ms)も短縮した. 【方法】待期的な侵襲的冠動脈造影を受けた, 連続70例の患者を調査した. 心房細動の患者は除外したが, 頻脈の患者, 冠動脈石灰化, 肥満の患者は除外しなかった. 直径1.5mm未満も含む全ての血管を分析し, MSCTの所見は定性的, 定量的に評価して, 定量的冠動脈造影(QCA)と比較した. 結果は, 有意狭窄(50%以上の内腔狭窄)についてセグメントごと, 動脈ごと, 患者ごとに分析した. 【結果】全てのスキャンで診断的な画質を示した. 1,065セグメント中の935(88%)を評価できて, 935セグメント中の774(83%)をMSCTとQCA両方で定量的に評価できた. MSCTとQCAの間のSpearmanの相関係数は0.76であった(p<0.0001). Bland‐Altman解析による狭窄率の差は平均1.3±14.2%であった. 患者の26%に400A gaston Uを超える石灰化があり, 25%は心拍数70/min以上, 50%は肥満であった. |