Abstract | 心血管系疾患や脳血管疾患などの循環器疾患は大多数が救急診療の対象となり, 院外において重症化するなどの致命的な出来事が少なくなく, 院外死を含めると致命率はなお高い. また院内での心事故発生時の救命処置の標準化も重要である. その対策を構築する上で, 米国心臓協会(American Heart Association:AHA)や国際蘇生法連絡委員会(International Liaison Committee on Resuscitation:ILCOR)からの心肺蘇生法(CPR)や循環器救急医療に関するガイドラインや取り組みは, 学ぶべき点が多い1). 本稿では2005年に改訂されたCPRガイドライン作成の経緯や今後の改訂状況, 我が国での課題について言及したい. 「CPRに関するガイドラインとILCOR」CPRに関するガイドラインは, AHAにより1974年から6年ごとに提唱され, 2000年に8年ぶりの改訂(G2000)が発表された. G2000は, 国際蘇生法連絡委員会(International Liaison Committee on Resuscitation:ILCOR)とAHAによる真に国際的なガイドラインであり, 世界におけるCPRの標準化を目指したものである. |