Japanese
Title心臓血管外科領域の再生医療−実験から臨床へ
Subtitle第27回総会シンポジウム『再生療法と循環の制御』
Authors長澤淳, 新井善雄, 米田正始
Authors(kana)
Organization京都大学大学院医学研究科器官外科学講座, 心臓血管外科学
Journal循環制御
Volume27
Number3
Page194-202
Year/Month2006/9
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」再生医療という言葉の定義や歴史に関しては諸説あるが, 1980年代後半にそれまでの組織工学, 再生生物学の技術を応用した再生医工学と呼ばれる分野が確立され, 90年代に入ってその技術の臨床応用が検討されるに至り再生医療(regenerative medicine)という新たな概念が確立されたというのがひとつの見方である. 90年代後半になって胚性幹細胞(ES細胞)を中心とする幹細胞研究が劇的な進歩を遂げたのに伴い再生医療の研究も爆発的な広がりと進展を遂げ, 今世紀に入る頃には既にヒトを対象とした臨床試験が様々な領域で行われるようになった. 心臓血管外科領域においても血管新生を促進する増殖因子の存在が明らかとなって以来, 血管内皮増殖因子(VEGF), 線維芽細胞増殖因子(FGF), 肝細胞増殖因子(HGF)などによる虚血組織への治療的血管新生の可能性が示唆され, 多くの研究が行われて来た. その中で例えば塩基性線維芽細胞増殖因子(Basic fibroblast growth factor:bFGF)には血管新生angiogenesisおよび動脈形成arteriogenesis(小動脈レベルの血管拡張, リモデリング)を促進する作用が強く, HGFは組織の線維化抑制や抗アポトーシス作用を持つなど, それぞれの増殖因子の持つ特性が明らかにされてきた.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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