Abstract | 「はじめに」末期心不全に関する治療としての心臓移植もしくは補助人工心臓(VAS)の施行数は少なく, その恩恵は限定的である. 心臓移植は, 1997年の臓器移植法施行により再開されてはいるものの, 年間施行数は5例前後で推移している. 世界的に見てもドナー不足は深刻であり, 1994年をピークに漸減傾向が続いている. VAS治療は, その役割をBridge to TransplantationのみからDestination TherapyおよびBridge to Recoveryへと広げている. 多くの新しいDeviceが長期間の循環サポートを保障し, Destination Therapyを可能とした. また, LV unloadingのみによるBridge to Recoveryだけでなく, VASからの離脱率を向上させるために, Cardiac Resynchronization Therapyやβ2 agonist投与が行われ有望な結果が報告されている. 更に近年, 再生医療の可能性が大きく語られ, 心不全の治療に関しても, 多くのClinical Tdalが報告され始めている. 特に, 骨髄由来細胞を用いた細胞移植では, 全ての研究で, その安全性は極めて高いことが報告されている. また, 有用性に関しても心機能改善効果が多くの研究で確認されている. |