Japanese
TitleHMGB1を中心とした新たな炎症の展開とその制御
Subtitle第27回総会シンポジウム『免疫・炎症と循環制御』
Authors岩坂日出男
Authors(kana)
Organization大分大学医学部脳・神経機能統御講座麻酔学
Journal循環制御
Volume27
Number4
Page280-286
Year/Month2006/12
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」ショックのなかでも敗血症性ショックは分配性ショック(血管拡張性ショック)に含まれる重篤な循環抑制の一つであるが, その病態形成に心血管系, 血管内皮細胞は重要な役割を果たしている. 敗血症性ショックは発症後1ヶ月以内の死亡率が35〜40%と高値であり, 心血管反応の特徴としては心筋抑制, 血管拡張, 血流分配異常の3つが代表的である1). 敗血症性ショック時の心筋抑制は心駆出率の低下, 心室の拡張, Frank-Starling曲線の平坦化に特徴づけられる. 敗血症性ショックでは一般的には循環‐血液量は正常の事が多いが, 血管拡張のために相対的な循環血液量減少が生じている. 循環血液量減少性ショックや心原性ショックに比較して敗血症性ショックは末梢循環での血流の分配異常が生じていることも特徴である. これら心筋抑制, 血管拡張による相対的循環血液量の減少, 血流分配異常により酸素供給の低下が生じ細胞内低酸素に繋がる. 特に全身性炎症の場としての血管内皮細胞の障害は微小血栓, 血管透過性の亢進などを生じ, 低血圧も重なり微小循環の破綻から臓器機能不全にまで陥ってしまう.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

【全文PDF】