Japanese
Title総説 COX-2と循環器疾患
Subtitle
Authors高橋裕二, 若林一郎
Authors(kana)
Organization兵庫医科大学環境予防医学
Journal循環制御
Volume28
Number2
Page115-119
Year/Month2007/6
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」細胞間の情報伝達物質として作用するプロスタグランジン(PG)は, シクロオキシゲナーゼ(COX)によりその活性が調節され, 生体の循環動態制御に重要な役割を果たす. COXのなかでも炎症反応に関与するアイソザイムであるCOX-2は, 様々な疾患の発症因子になることが明らかになっているが, 近年開発が進んできた選択的COX-2阻害薬に, 心血管系副作用が多発すると報告されたのを契機として, 循環器疾患との関係が注目を集めるようになった. 本稿では, COX-2と循環器疾患に関連したこれまでの知見を概説する. 「COX-PG系と循環」ホスホリパーゼA2(PLA2)により形質膜から遊離されたアラキドン酸はCOXによってPGG2さらにPGH2に代謝される. したがってCOXには2つの活性基があり, シクロオキシゲナーゼ作用によりPGG2が, さらにパーオキシダーゼ作用によりPGH2が産生される. PGH2はそれぞれの細胞で特異的な酵素により代謝され, 特異的な作用を有するPGが産生される. このうち代表的なものが血小板でのトロンボキサンA2(TXA2)と血管内皮細胞でのプロスタサイクリン(PGI2)であり, それぞれ特異的な受容体を介して相反する作用を示し, 血管緊張や血液凝固を調節している(図1).
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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