Japanese
Title冠動脈スパズムにおけるATP感受性Kチャネルの関与
Subtitle特集 第28回総会シンポジウム『周術期冠動脈スパズム』
Authors河野崇
Authors(kana)
Organization徳島大学医学部麻酔科
Journal循環制御
Volume28
Number3
Page175-180
Year/Month2007/9
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」冠動脈スパズムは, 異型狭心症, 不安定狭心症および急性心筋梗塞の原因と考えられ, 多枝冠動脈に合併する重症例では心臓突然死に至ることもある. 手術中においても浅麻酔や呼吸性アルカローシス等の誘因によりその発症例が多く報告され, 周術期の重篤な合併症の一つと考えられている. 冠動脈スパズムの発症機序については自律神経調節異常, 血管内皮障害, 動脈硬化に伴う血管平滑筋障害, 局所での血管収縮因子の過剰発現等があげられているが完全に解明されていない. ATP感受性K(KATP)チャネルは細胞内の代謝により活性を調節される内向き整流性Kチャネルで, 全身の組織に広く分布し細胞の代謝状態と細胞興奮を関連させる1). 近年, KATPチャネルの遺伝子改変動物を用いた解析から血管平滑筋細胞のKATPチャネルは冠動脈の緊張制御に重要であること, およびその機能不全が冠動脈スパズムの発症に関与していることが報告されている. このことはKATPチャネルが冠動脈スパズムの予防および治療の標的となる可能性を示唆している.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

【全文PDF】