Japanese
Title心肺蘇生ガイドライン:ILCOR2010年にむけて―ACLS抵抗性院外心停止症例に対するPCPSについて―
Subtitle特集
Authors鹿野恒
Authors(kana)
Organization市立札幌病院救命救急センター
Journal循環制御
Volume29
Number1
Page32-39
Year/Month2008/5
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「はじめに」経皮的心肺補助(PCPS:percutaneous cardiopulmonary support)は, 本来, 重症心不全(急性心筋梗塞, 心筋症, 劇症型心筋炎など), 開心術後の低拍出症候群, 大血管手術(胸部下行大動脈瘤, 胸腹部大動脈瘤)による補助循環や重症呼吸不全などの病態に用いられていたが, 近年心停止症例への適用が急増してきている1). 特に本邦では1988年より院外心停止症例に対するPCPSの臨床応用が開始されたが, 心肺脳蘇生医療におけるPCPSの位置づけは2005 International Consensus on Cardiopulmonary Resuscltation and Emergency Cardiovascular Care Science with Treatment Recommendationsにおいてもクラス未確定であり, 低体温や薬物による心停止症例等での使用が示唆されているのみである2). しかし, PCPSの最大の特徴は, ACLS抵抗性の心停止症例に対して最後の心肺脳蘇生法であること, さらにはPCPSを開始することにより脳循環回復と同時に脳低温療法を迅速に導入できることである. 脳低温療法は蘇生後患者の神経学的予後を改善するとされ3,4), AHAガイドライン2005でもクラスIIaに位置づけられている5). しかし, これはあくまで自己心拍再開後(蘇生後)のケアとしての位置づけであり, 我々が行っているPCPSによる心肺脳蘇生においては, 必ずしも自己心拍の再開は必要とせず, 心停止状態が継続したとしても脳低温療法により脳蘇生を開始することができる点が大きな違いである.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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