Abstract | 研究目的:閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と高血圧は単独で太い動脈の硬化を伴いそのことが左室(LV)のremodelingに関与する可能性がある. 我々はOSAと高血圧および両者合わせての動脈硬化と心臓構造への影響を研究しようとした. 研究計画:60例の中年の症例をOSAの有無, 高血圧の有無によって4つの群に分類し研究した. 各群は年齢, 性別, およびBMIで調整された. 測定と結果:完全な終夜睡眠ポリグラフィー, 脈波速度(PWV)および経胸壁エコー心臓検査が研究参加全例に行われた. OSAのない正常血圧の患者との比較で, 正常血圧のOSA患者とOSAのない高血圧患者においてはPWV, 左房径, 心室中隔の厚さ, LV後壁の厚さ, LV mass index, およびLV肥大の割合は同じように増加し(すべての比較においてp<0.05), OSAと高血圧を持つ症例ではPWV, LV mass index, およびLV肥大の割合はさらに有意に増加していた. 多変量回帰分析においてPWは収縮血圧(p<0.001)および無呼吸低呼吸(p=0.002)と関連していた. LV mass indexと関連していた独立変数はPWVのみであった(p<0.0001). 結論:重症のOSAと高血圧は動脈硬化と心臓構造異常に同程度関連し, 両者が同時にある場合には相加的な影響がある. 太い動脈の硬化の増大は心室後負荷に関与しOSAと高血圧両者共における心臓リモデリングを説明する一助となる. |