Japanese
Title血漿アルデステロンは抵抗性高血圧患者の閉塞性睡眠時無呼吸の重症度に関連している
Subtitle文献紹介 II
Authors公文啓二, Pratt-Ubunama MN, Nishizaka MK, Boedefeld RL
Authors(kana)
Organization姫路聖マリア病院
Journal循環制御
Volume29
Number1
Page86-87
Year/Month2008/5
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract目的:閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と原発性アルドステロン症は抵抗性高血圧症の患者でよくみられるが, これら2つの疾患に因果関係があるかは知られていない. 本研究は抵抗性高血圧症をもつ患者ならびにコントロールとして抵抗性高血圧症のない同等の重症度をもつOSA患者において血漿アルドステロンとレニン濃度とOSAの重症度を関連づける. 方法:抵抗性高血圧症(3種類の降圧薬服用でもコントロール不能)でBirminghamのAlabama大学(UAB)に紹介された連続71人の患者ならびコントロールとしてUAB睡眠障害センターへ紹介された29人のOSA疑いの患者において, 早朝の血漿アルドステロン濃度(PAC)およびレニン濃度および終夜睡眠ポリグラフィーの計測によって前向きに評価した. 結果:OSA(apnea-hypopnea index[AHI]>or=5/h)は抵抗性高血圧症患者の85%に認められた. これらの症例においてPACはAHIと相関していた(rho=0.44, p=0.0002)が, レニン濃度はそうでなかった. PAC中央値はコントロール患者において抵抗性高血圧症をもつ患者と較べて有意に低かった(5.5ng/dL vs 11.0ng/dL;p<0.05). 抵抗性高血圧症の患者においてOSAは男性の方が女性にくらべて多く(90%vs77%)またより重症であり(AHI中央値, 20.8/h vs 10.8/h;p=0.01)そしてPAC中央値は有意に高かった(12.0ng/dL vs 8.8ng/dL, p=0.006). 結論:OSAは抵抗性高血圧症をもつ患者において極めて高頻度に認められる. 抵抗性高血圧症を持つ患者においてはPACとOSA重症度には有意な相関が認められたが抵抗性高血圧症のないコントロール患者では認められなかった. 原因か結果か推定はできないが, 今回のデータはアルデステロンの過剰がOSAの重症度に関与することを示唆する.
Practice基礎医学・関連科学
Keywords