Japanese
Titleアペリン-APJ系は新たに同定された動脈硬化症増悪因子である
Subtitle講座
Authors橋本達夫*, 木原実*, 吉田伸一郎*, 今井のぞみ*, 下山田博明**, 石田純治***, 安崎弘晃*, 一原直昭*, 宮本研*, 戸谷義幸*, 北村均**, 深水昭吉***, 梅村敏*
Authors(kana)
Organization*横浜市立大学大学院医学研究科病態制御内科学, **横浜市立大学大学院医学研究科病態病理学, ***筑波大学先端学際領域研究センター
Journal循環制御
Volume29
Number2
Page144-147
Year/Month2008/9
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstract「要約」最近見出された生理活性ペプチドであるアペリンは, その受容体であるAPJを介して作用する. その機能は多彩であり, 血管作動物質, 体液量調節作用, 心筋における陽性変力作用, 血管径の制御, アディポカイン, 消化管ホルモンなどの報告がある. 我々は血管におけるアペリンの作用を, 内皮と平滑筋とに分けて解析し, さらに動脈硬化症という病態との関連について解析した. その結果, アペリン-APJ系は, 内皮では血管拡張作用, 平滑筋では血管収縮作用という2相性の作用を持ち, さらに動脈硬化症に対しては増悪因子であることが判明した. 動脈硬化症の新たなターゲットとして阻害薬の開発が期待される. 「はじめに」APJ受容体は1型アンジオテンシン受容体(AT1)と31%の相同性を持つ7回膜貫通G蛋白結合型の受容体である1). 内因性リガンドとしてアペリン(APJ endogenous ligand)が1998年に同定された2). アペリンは77アミノ酸残基のプレプロアペリンとしてコードされているが, このプレプロアペリンからアペリン36以下の生理活性をもつアペリンが切り出される(図1)3).
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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