Abstract | 去る4月16日から18日までの3日間, 日本大学医学部外科学系心臓血管外科学分野の根岸七雄会長のもと, アルカディア市ヶ谷で第36回日本血管外科学会総会が開催された. テーマは「新たな展開をする血管外科学−血管外科医の真骨頂−」とされ, 教育講演7題, シンポジウム5題, パネルディスカッション8題, ならびに480題の一般演題で構成され, さらにInternational Sessionが催された. 本年も治療の低侵襲化についての話題は大きな関心をもって幅広く取り入れられた. 進行する高齢化と様々な合併症によりハイリスク患者はますます増加している. このため欠くことの出来ない取り組みであると考えられる. 総会前日に当たる, 4月16日には例年通り日本血管外科学会教育セミナーが行われたが, 昨年より心臓血管外科専門医の認定・更新にセミナーの出席を義務づけられている事もあり, 昨年に引き続き事務局の予想を遙かに超える参加者があり, 7演者による非常に密度の高い講演が行われた. 総会第1日目の4月17日はこの1年間で本格的に導入が開始された企業製腹部大動脈ステントグラフトを反映した『腹部大動脈瘤に対する外科治療とステントグラフト治療の適応と限界』, 『胸部大動脈瘤に対する外科治療とステントグラフト治療の適応と限界』, さらに『肺血栓塞栓症に対する治療法の選択−血栓塞栓除去術, 血管内治療』と3つのシンポジウムが行われたが, その全てが血管外科領域において近年ますます重要性が高まる血管内治療と従来の外科治療を比較検討するものであった. |