Abstract | 高血圧に基づく左室肥大と左室機能低下は, 高血圧患者の脳卒中にとってリスクファクターであることは常識的な知識である. 脳出血と脳梗塞の患者群間で左室肥大と左室機能低下に差があるかどうかを検討した. 23例の脳梗塞を発症した高血圧患者, 25例の脳出血を発症した高血圧患者, そして24例の正常血圧群をコントロールとした. 超音波検査を行い, 左室肥大の指標としてLV massを, またエコードプラーで左室拡張期圧と拡張期僧帽弁口流速を測定した. LV mass indexは脳出血群で正常群に比し高く, 脳梗塞群でのLV massは正常群と変わらなかった. 拡張期心機能を示す指標は脳出血群, 脳梗塞群で差がなかった. したがって, 高血圧による左室肥大と心機能低下は脳出血群で脳梗塞群より明らかにriskが高いといえる. 「ST上昇型心筋梗塞における心筋コントラストエコー法:近づくその時代? Hayat SA, Senior R:Myocardial contrast echocardiography in ST elevation myocardial infarction:ready for prime time? Eur Heart J 2008;29:299-314. 」急性心筋梗塞(acute myocardial infarction:AMI)は先進国では依然として重要な問題であり, また途上国でも大きな問題となりつつある. |