Japanese
Title初回抗凝固療法中のワルファリンの反応性に対する遺伝的決定因子 Genetic determinants of response to warfarin during initial anticoagulation. N Engl J Med 2008; 358:999-1008.
Subtitle文献紹介 III
Authors加藤隆児
Authors(kana)
Organization大阪薬科大学臨床薬剤学研究室
Journal循環制御
Volume29
Number2
Page196-198
Year/Month2008/9
Article報告
Publisher日本循環制御医学会
Abstractワルファリンの代謝酵素であるシトクロムP4502C9(CYP2C9)と, ワルファリンの主要な薬理学的標的であるビタミンKエポキシド還元酵素(VKORC1)の遺伝多型により, 患者のワルファリンに対する反応性が異なる. 従って, 初回抗凝固療法においてはこれら多様性により, 患者の安全かつ効果的な投与量が不明であるため問題となる. 本論文では, ワルファリン療法を開始する297名の患者を対象に, CYP2C9の遺伝子型(CYP2C9*1, *2, *3), VKORC1のハプロタイプ(Aまたは非A), 臨床的特性, 治療に対する反応(INR(international normalized ratio)により判定), 出血性イベントを評価した. 試験の転帰は, INRがはじめて治療域内となるまでの時間, INRがはじめて4以上となるまでの時間, INRがはじめて有効治療域を超えるまでの時間, 経時的なINR反応性, ワルファリン必要量で評価を行った. VKORC1のハプロタイプが非A/非Aである患者と比較して, A/Aの患者ではINRがはじめて治療域内となるまでの時間P=0.02)およびINRがはじめて4以上となるまでの時間(P=0.003)は有意に減少した. これに対し, CYP2C9の遺伝子型は, INRがはじめて治療域内となるまでの時間に対しては有意な予測因子とならなかったが(P=0.57), INRがはじめて4以上となるまでの時間に対しては有意な予測因子であった(P=0.03).
Practice基礎医学・関連科学
Keywords

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