Abstract | 「はじめに」ACC/AHA(アメリカ心臓病学会とアメリカ心臓協会)は1996年に「非心臓手術のための周術期心血管評価ガイドライン」を作成した1). その後, 2002年に改訂版2)が発表され, 今回2回目の改訂が行われた3). 改訂作業は, 2002〜2007年の間に蓄積された資料をPubMed/MEDLINE, Cochrane Libralyを使ってサーチし, 新たに400件以上の文献をレビューして行われた. 改訂個所を要約すると, (1)推奨される処置や治療にエビデンスのレベルA, B, Cがそれぞれ付記されたこと, (2)クラス分類の定義がより明確になり, 推奨される処置や治療に関する記述が文章化されて分かりやすくなったこと, (3)術前評価と管理のためのアルゴリズムが見直されたこと, その中で, 高度, 中等度, 軽度と分類されていた臨床予測因子が外され, 「活動性心疾患」と「臨床リスク因子」にまとめられたこと, (4)吸入麻酔薬の使用がクラスIIaに取り上げられたこと, (5)冠動脈ステント留置患者の周術期管理法が詳述されたことなどが挙げられる. 本稿では, これらの改訂部分を中心にACC/AHAガイドライン2007について解説する. |