Japanese | |
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Title | (質問)急性冠症候群の考え方と治療方法についてお教えください(香川県:H.N.) |
Subtitle | 質疑応答 |
Authors | 野々木宏 |
Authors(kana) | |
Organization | 国立循環器病センター内科心臓血管部門 |
Journal | 循環制御 |
Volume | 30 |
Number | 1 |
Page | 62-63 |
Year/Month | 2009/5 |
Article | 報告 |
Publisher | 日本循環制御医学会 |
Abstract | 『定義と病態』 急性冠症候群とは, 急性心筋梗塞, 不安定狭心症, 虚血性突然死を含む疾患群である. ともに冠動脈粥腫の破綻から血栓形成が生じて発症する. 粥腫の破綻と血栓形成という現象は, 1920年代から病理学的に指摘されていた. 1980年代には, 虚血性心疾患により急死した例の病理解剖により, 冠動脈内血栓形成の成因は動脈硬化巣の破裂によることが明らかにされ, 急性心筋梗塞, 不安定狭心症, 虚血性心疾患による突然死例に共通して認められることから, これらの3つの疾患群がacute coronary syndrome(急性冠症候群)としてまとめられた1). 血栓形成の成因としては, 動脈硬化巣の線維性被膜が薄い部分に破綻が生じ, その部分に修復過程として血栓形成が生じるものである. 破綻部の動脈硬化巣には, マクロファージをはじめとする炎症細胞の集積が見られる. マクロファージは, 線維性被膜のコラーゲンを分解する酵素を分泌するとともに平滑筋細胞数を少なくし, コラーゲンの産生量を減少させる. |
Practice | 基礎医学・関連科学 |
Keywords |