Abstract | 「要約」: 実臨床において, エベロリムスステントはパクリタクセルステントに比べ安全性また有用性において優れていた. この結果から, パクリタクセルステントの適用は避けた方が良いことが示唆された. 第2世代薬物溶出性ステントであるエベロリムス(EES)とパクリタクセルステント(PES)は, 通常の金属ステントに比べ, 再狭窄率は低率である. 本研究ではこの両者の安全性と効能を実臨床で選択基準を設定せず比較した. 1施設における連続1,800例を無作為に2つのステントの割り付け, 12ヵ月以内の一次エンドポイント(全死亡, 心筋梗塞, 標的血管再血行再建(TVR))で評価された. 「結果」: EES 897例中6%, PES 903例中9%に一次エンドポイントが発現した(p=0.02). 血栓閉塞は, EES 1%以下, PESでは3%(p=0.002), 心筋梗塞は3%, 5%(p=0.007), TVRは2%, 6%(p=0.0001), 一次エンドポイントはEESで5%, PESで8%とそれぞれPESで有意に高率であった. エベロリムスステントは, ポリマーが薄いため内皮化の促進が認められるという報告があり, 実臨床では我が国においても市販されたため適用について参考となる論文である. |